令和2年竹田市議会第2回定例会では、新型コロナウイルスに関する様々な課題が議題に上がった。特に注目されたのは、佐藤市蔵議員による新型コロナウイルス対策に関する一般質問である。
佐藤議員は、新型コロナウイルスの影響を受けた市内農家の声を紹介し、特に繁殖農家が直面する厳しい状況について言及した。彼は、「新型コロナウイルス対策として、各自治体ができることを早急に行うことが重要である」と強調。また、竹田市では全戸にマスクを配布したことを評価しつつ、現在の備蓄品の種類や数を確認したいと述べた。
農政課長の後藤聡君は、「竹田市では、アルファ米や飲料水、防護服といった多様な備蓄品がある」と報告し、これからの災害への備えを強調した。さらに、農業サポーター活用支援事業の導入についても触れ、農繁期の労働力不足に応じた取り組みを行う意向を示した。
次に、荻の里温泉に関する議論が行われた。佐藤議員は、同施設の経営状況について、平成28年から続いている赤字経営や、平成31年度に460万円の利益をかかえる一方で、令和元年度の決算で954万円の赤字を報告すると述べた。水害や地震の後遺症、そして新型コロナウイルスの影響によって、宿泊客の減少や宴会キャンセルが続くと指摘。
荻の里温泉の経営再建策として、副市長の野田良輔君は、スタッフへ業務の見直しを行い、経費削減に努める方針を示した。このように経営圧迫の中で、緊急の人員削減が行われたことは多くの市民からの不安視が寄せられた。
さらに、学校給食についても質疑が行われた。給食再開に伴い、上島弘二議員はコロナ禍による保護者負担軽減策を求めた。調理場長の後藤一郎君は、給食費の無料化は難しいが、就学援助制度対象者への支援を拡充する考えを明らかにした。
こうした一連の議論を通じて、竹田市は新型コロナウイルスに対する各種対策を強化し、支援を行う必要性を再確認した。市民生活を守るため、今後のさらなる取り組みが期待される。