令和5年9月20日に開催された中津市議会では、31件の議案に対する質疑が行われた。
中でも注目を集めたのは、令和5年度中津市一般会計補正予算の質疑であった。須賀要子議員は、保健衛生関連の予算に関する具体的な進捗状況を問うた。経営総務課水道技術監の石丸泰幸氏は、衛星画像を用いた漏水判定事業の進捗について説明し、全市の配水管総延長約590キロメートルが対象であることを明らかにした。
須賀議員はさらに、子ども医療費助成事業の拡大についても問及した。地域医療対策課長の上村祥子氏は、高校生世代への助成対象の拡大とその具体的な内容を説明した。新制度により、医療費自己負担が一定額に制限されることが期待されており、子どもの健康を守る施策として注目されている。
また、農業振興費に関しては、経営課長の長尾圭造氏が経営所得安定対策直接支払推進事業について説明した。対象となる農業者への支援が行われており、生産性の向上が狙いである。一方、災害復旧費については、耕地課長の梅木伸太郎氏が農地及び農業用施設災害の把握状況を説明した。全体で544件にわたる被害が報告されている。
さらに、議第108号中津市火災予防条例の一部改正についても注目を集めた。消防本部消防課長の中田好昭氏は、改正の主な内容と市民への影響、効果を説明し、新たに定められた要件についても言及した。特に、蓄電池設備の届出基準の見直しが市民にとって分かりやすくなることを強調した。
質疑を通じて、議員からは複数の経済的問題が提起され、特に重課制度に関する意見が交わされた。川内八千代議員は、軽自動車税の重課がエコカーの購入促進に寄与していないのではと指摘し、市税の見直しを促した。
質疑の最後には、地域における教育施策としての奨学金制度についても触れられた。教育委員会学校教育課長の岩久茂樹氏は、教育の機会均等の観点から奨学金制度の重要性を訴え、今後の拡充についての意欲を示した。
今会議における質疑は、多岐にわたる分野で市民生活に密接に関わる問題を多角的に掘り下げる内容となった。