令和6年6月10日に開催された中津市議会定例会では、重要なテーマが多数取り上げられた。
特に注目を集めたのは「不滅の福澤プロジェクト」についてである。
本田哲也議員はプロジェクトの目的とスケジュールに関して質問を行い、福澤諭吉の教えを現代に生かすことの重要性を強調した。産業経済部長の高尾良香氏は、プロジェクトは福澤先生の思想を後世に語り継ぎ、地域のシビックプライドを醸成する大きな役割を果たすと述べた。
今年度の主な取り組みには、まち歩きマップの制作や、カレー事業が盛り込まれ、地域の文化が活かされる様々なイベントが計画されている。
次に「道の駅なかつ」遺跡公園の有効活用が話題にされ、議員たちからの提案が相次いだ。特に三重野玉江議員は、縄文文化を再現するための体験型イベントの強化や、ドッグランの整備が商業施設における魅力向上に寄与すると考えた。教育部長の黒永俊弘氏は、地域の歴史や文化を活かした活用方法を模索していく姿勢を示した。
防災パトロールの成果についても質問が及び、総務部長の大下洋志氏は、パトロールの結果を元に早期避難を促す取り組みを進め、被害拡大防止策を強化する重要性を述べた。この意見は、防災体制を強化する上で大いに意味を持つといえる。
また、「学びたい教育のまちなかつ」の実現に向けた取り組みは、山影智一議員によっても言及された。市内中学校でのジュニア・グローバル・リーダー研修についての質疑が行われ、教育部長の黒永俊弘氏は、今年度から再開し、人気のあるプログラムとなっていることを述べた。教育と地域経済が密に連携し、相乗効果を生むことを期待されている。
中津市中小企業振興基本条例については、産業経済部長の高尾良香氏がその施策の現状と課題を詳述し、今後の計画についても説明した。地域の中小企業に対する支援のあり方が、活性化の鍵を握っている。
障がい者福祉サービスの充実に関しても、今泉俊一健康福祉部長が、現状の課題として人材不足やサービスの質の問題の深刻さを指摘し、改善の必要性を訴えた。市民の福祉を確保するためには、適切なサービス提供体制を整えることが必要である。
そして、人口減少対策としては、三重野玉江議員が提起した保育園留学や丁寧な地域コミュニティの形成が必要であるという視点が示された。
最終的に中津駅の活性化への具体的提案がなされ、駅のイメージアップを通じて地域の観光客誘致が目指されている。