令和3年第2回中津市議会定例会が開催され、新型コロナウイルスへの対策と地域づくりについて議論が重ねられた。
会議の冒頭、議長の中西伸之氏から、「議会規則に従い、今期定例会の会期を28日間と決定した」と報告があった。続いて市長の奥塚正典氏が、新型コロナウイルス感染症への取り組みについて詳細な報告を行った。
奥塚市長は、特に変異ウイルスによる新たな感染拡大が地域に及ぼす影響について強調した。4月中旬からの急速な感染拡大により、県内の医療体制への深刻な影響が顕在化していると述べた。感染防止のため、地域医療提供体制がどう維持できるのか、議会との連携が求められることを訴えた。
さらに、ワクチン接種の進捗状況についても報告した。5月から75歳以上の高齢者への集団接種を始めたまた、65歳以上の高齢者も対象にした個別接種を実施し、5月31日集計で延べ1万6,062件の接種が行われたという。高齢者以外の優先接種についても調整が進んでいるとしている。
次に、災害対策についての発言があった。過去の災害を念頭に置き、防災研修や地域の危険箇所調査を進める必要性が示された。特に、耶馬溪町金吉地区の災害から学ぶ姿勢が重要であるとされ、地域住民に対する情報提供や再確認を呼びかけた。
市長は、地域福祉の推進にも力を入れ、地域の住民が参加するワークショップを通じて計画の策定を進めていくことを示した。小学校の校長経験者を放課後児童クラブアドバイザーに起用したことも報告した。これは放課後の居場所作りと児童へのサポート強化を図るものである。
さらに、市のインフラ面においては、中津日田地域高規格道路の進捗が注目された。地域のアクセス向上が期待され、市民生活に大きな影響を及ぼすことが見込まれている。また、企業誘致については、青木運輸倉庫株式会社や葵機械工業株式会社、ダイハツ九州株式会社が新たな立地を表明し、雇用創出が見込まれる。
観光振興策についても多くの話題があがり、体験型観光プログラムやサイクリングマップの作成などに取り組んでいることが共有された。文化や歴史を生かした観光地の発信が図られている。
このように、感染症対策からインフラ整備、地域福祉、観光振興に至るまで、多様な議題が議論され、円滑な地域運営を目指す方針が確認された。市議会ではさらなる連携を深め、市民の安心・安全な生活が保障されることを目指している。