令和2年9月10日に行われた中津市議会定例会では、複数の議題が取り上げられた。特に「がん対策の推進」については、議員からの強い要望が聞かれる。
公明党の小住利子議員は、胃がんや乳がん、子宮頸がんの検診率の推移について触れながら、感染症の影響で受診者が減少している現状を指摘した。その上で、「本年度の厚労省目標は受診率50%ですが、現状はそれを大きく下回っている」と危機感をあらわにした。この発言に対して、生活保健部長の今冨寛二氏は、受診率向上に向けた取り組みを約束した。
また、「人と動物の共生」というテーマでも小住議員が意見を述べた。犬猫の殺処分の現状について質問し、行政の対応を求めた。今冨部長は、「殺処分を減らすためには、飼い主教育の啓発が必要」とし、実施している施策を説明。具体的には、行き過ぎた無責任な餌やりへの対応を挙げた。
さらに、「こころの健康づくり」についても議論が行われ、福祉部長の吉富浩氏は、自殺予防や相談窓口の対応に力を入れている様子を説明した。特に、最近の自殺者数が問題視されており、「年齢層別の対策が求められている」と分析した。
最後に、若者の育成と定住促進についても議論が及んだ。大内直樹議員は、「アーバンスポーツを推進し、子供たちの居場所を確保する」必要性を訴え、地域に根ざした若者支援の重要性を強調した。これに対し、教育委員会の大下洋志次長は、教育施設の充実を図ることが大切との見解を示した。
会議では、今後の中津市に求められるのは、がん検診の受診率向上、ペットに関する啓発の強化、メンタルヘルス支援の充実など、住民の安心・安全な生活を実現するための具体的な施策であることが再確認された。