令和5年6月19日に開催された豊後高田市第2回定例会では、急速な物価高騰を背景にした市民生活の支援策や、観光施策について多くの意見が交わされた。
特に、市民の暮らしを支える施策についての議論が熱を帯びた。市議会議員の大石忠昭氏は、「コロナの影響や物価高騰の影響で市民の生活は厳しい。市のため込み金の30億円を有効活用し、市民に喜ばれる支援策を講じてほしい」と訴えた。さらに、国からの交付金についても言及し、「豊後高田市に交付される1億円はどのように使うのか」と具体的な利用法を市長に求めた。
財政課長の伊藤昭弘氏は、「国からの重点交付金は全て予算計上済みで、これからの追加には期待できない」と回答した。また、国の施策に対する市の独自支援策の必要性が強調され、特に低所得層への支援強化が提案された。
市長の佐々木敏夫氏は、「付加的な支援を厳しく見直し、国が出す補助金の内容を踏まえつつ、全市民に公平な立場で施策を進めていく」と述べた。この発言に対し、議員からは「公平性の観点で、全市民に対する支援が不十分ではないか」との反発もみられた。
その後の議論では、観光施策に関連して長崎鼻の観光トイレの改修要求も出ており、観光客の増加に向けたトイレの整備が急務とされている。商工観光課長の河野真一氏は、「長崎鼻のトイレについても改修の検討を行う」との意向を示した。
また、創業支援に向けた取り組みとしてチャレンジショップの設立や、空き店舗を活かした取り組みが提案され、市民が新たにお土産や特産品を作る機会を増やすことが期待されている。