令和2年7月20日に開催された上越市文教経済常任委員協議会では、水族博物館における鯨類の死亡事案についての説明が行われた。
この会議では、上越市立水族博物館「うみがたり」でのバンドウイルカ2頭とシロイルカ2頭が立て続けに亡くなった事について議会及び市民への謝罪がご教育部長の柳澤氏から伝えられた。彼は、死亡経過についての詳細な報告と、鯨類飼育に必要な環境、また死亡の理由について専門的な意見を求めることが必要であると強調した。
具体的には、バンドウイルカの死亡に至った経緯として7月12日、アルク、8歳が死亡したことが挙げられ、さらに、シロイルカのリーヤが5月20日に、ソーリャが7月3日に死亡したことについても説明がなされた。これに伴い、現在同館ではバンドウイルカ2頭の飼育のみを行っている。
また、飼育環境の確認と、どのようにして動物が管理されているかも話し合われ、特に飼育プールの大きさや設計に関する専門家の意見および第三者による検証委員会の設置についても協議が行われた。委員の安田氏は、死亡要因を深く掘り下げる必要性を訴え、過去の検証が飼育施設に焦点を当て、実際に飼育管理が行われている現場に対する意見が反映されていないと指摘した。これに対し教育総務課長は、専門家による具体的な検証の意図と方向性について説明を行った。
市民への情報公開の重要性についても意見が交わされ、透明性の確保が求められた。何度も市民に対して状態や今後の対策を明確にする必要があると強調されたことから、教育長は迅速な報告を約束した。
今後は、専門家による検証を進め、死亡の要因と今後の飼育方法の見直しが行われる予定であり、さらに適切な補充と飼育管理体制の確立が図られることが期待されている。市の貴重な財産である鯨類の適切な飼育が維持されなければ、市民の信頼を損なうことにつながり、市の観光戦略にも影響を及ぼすことが懸念されている。
このように、この日行われた協議会では、シロイルカ、バンドウイルカの死亡がきっかけに、新たな鯨類の飼育管理と市民への情報伝達の在り方について重要な視点が提示され、今後の水族館の運営に対する課題が浮き彫りとなった。