令和4年第6回上越市議会定例会において、様々な重要なテーマが議論された。特に注目を集めたのは、北陸新幹線敦賀延伸に伴う上越市の観光振興策である。
市長の中川幹太氏は、「敦賀延伸は上越市にとって経済や観光などの面で大きなチャンスである。」と強調した。都市の利便性向上はもちろん、関西方面へのアクセスが容易になるため、新たな観光客を市内に呼び込む契機と感じている。その一環として、歴史や文化を生かした新たな施策を模索していく方針を示した。
また、安田佳世議員は観光振興に関し、浪人に特化した観光ルート形成、地域資源の磨き上げ、宿泊施設の整備の重要性を訴えた。中川市長もこれに同意し、年間を通して楽しめる観光体験が持続的な来訪者を生む鍵となると指摘した。
さらに、上杉謙信公に関連した記念事業の進捗については、春日山城の支城群の重要性を挙げ、地域へのリソースの配分に関しても考慮する必要があるとした。特に、謙信公祭を今後どのように盛り上げるかが問われ、支城との連携を不可欠視していた。
一方、議会の中では副市長4人制の導入が再び議題に上がった。市長はその必要性について疑問を持たれているようだったが、議員からは「明確なリーダーシップを期待されている」との声が強まった。市としての運営の透明性や、柔軟な経営参加のために変革が必要との意見も見られた。
道の駅うみてらす名立の振興については、中川市長が「全国でトップクラスの道の駅を目指す。」と発言。地元特産品を強調し、全年齢層が楽しめる場所にする必要性が語られた。商業の観点からも地域振興の源泉とされる道の駅への期待感は高まっている。
また、直江津港の活用についても言及され、行政、地元業者の連携の重要性が指摘された。市長は「港を使って地域の観光資源を強化する。」とし、海と雪で地域活性化を図る考えを示した。
これに対し、議員からは、「雪に生きるまちというビジョンを明確にする必要がある。」との意見があり、雪国特有の資源を最大限に引き出し、観光資源としても活用すべきとの声が上がった。
このような中で、各議員が具体的な施策を提案し、未来の上越市を見据えた議論が続けられた。市民のニーズも踏まえ、しっかりとした戦略を示すことが求められる。今後の市の動きには注目が集まる。