上越市の定例会では、新幹線や国道沿いの交通インフラの整備が焦点とされている。具体的な議題の中で、渇水対策や鳥獣捕獲の進捗、廃校施設の利活用など問題が多数取り上げられた。
渇水対策では、夏の猛暑がもたらした影響について議論され、特に水稲や農作物への被害が懸念されている。市民生活に与える影響に対しては、中川幹太市長が手厚い支援を約束した。この猛暑や渇水による農業被害の状況について、橋本洋一議員は何度も現地の農家からの悲痛な声を紹介し、迅速な対応が求められていると強調した。それに対し市長は、農業用水の確保や緊急給水の手配等、具体的な支援策を速やかに実施していくと述べた。
冬場の大雪対策にも言及され、特に高齢者の雪かき作業に関する安全対策が扱われた。命綱固定アンカーの設置補助制度が進められ、事業者がこの取り組みに応じた増加が見られるようになったことが報告された。市長は、高齢者や住民が安全に作業が行える環境の確保に向け、さらなる周知をしていく方針を示した。
廃校施設の利活用では、地域資源を最大限に活用すること、また地域住民の意見を踏まえた利活用の活発化が必要であるとの意見が出された。市長は、これらの施設の新しい利用方法を模索し、地域の活性化につなげたいと述べた。
さらに、文化財のデジタル化が求められており、上越市における歴史的資料の保全と活用に向けた取組が進められている。デジタルミュージアムの開設も視野に入れ、今後の展開が期待されている。
最後に、観光業の活性化策として、北陸新幹線開業10周年に伴うイベントの開催が予定されており、市長はこの機会が上越市の魅力を高めるチャンスであると強調した。新幹線の利便性向上や地域内の新たな企業誘致合わせ、地域の一体感を高めるため、自治体間や市民の結束が求められている。