令和4年度上越市議会定例会が開催され、市政の重要課題について議論が交わされた。
特に新型コロナウイルス感染症に関しては、安田佳世議員が積極的な質問を通じてその取り組みを確認した。中川幹太市長は、コロナ対策に関して130億円を投じたと報告し、その成果としてワクチン接種が県内で早期に進んだことを強調した。これにより、市民の感染リスクが低減したと評価され、外部専門家からの意見も取り入れながら、今後も支援策を強化していく意向を示した。
次に、安田議員は市政運営の基本方針と公約プロジェクトについて具体的な質問を行った。市長は「市民起点のまちづくり」を基本方針とし、地域の特色を生かした政策を推進する考えを語った。一方で、プロジェクトの具体的な実施スケジュールや体制については明確でなく、議員や市民からの不安の声も聞かれた。
さらに、通年観光プロジェクトに関しては、安田議員からの提案があった。市長は観光事業を育てる重要性を認識しており、地域住民と連携しながら事業を進める意思を示した。具体的には雁木町家や寺町の整備、春日山城を観光地化する施策が挙げられた。これらは市の魅力を発信する戦略として位置づけられている。
また、ふるさと納税制度については、その活用促進を中心に説明があった。市長は返礼品の多様化や新たな寄附金使途項目の見直しを視野に入れ、地域振興に向けた新たな施策を展開すると述べた。一方、職員研修についても人事改革を進め、今後の人材育成に力を入れる方針が示された。
一連の質疑の中で、宮越馨議員は特に財政調整基金の活用を強く求め、地域支援策についての提案を行った。これに対し市長は、予算編成の根拠と方針についての見解を示しつつ、具体的な支援策については今後検討する余地があるとし、各議員からの意見を真摯に受け止める姿勢を強調した。議題は議案第1号から第52号及び報告第1号、第2号に付託され、今後の議論が期待されている。