上越市議会の令和2年第6回定例会では、コロナ禍における経済対策や観光施策について多くの議員から意見が交わされた。その中でも特に、コロナ感染症の影響を受けた企業支援や地域経済の活性化に関する施策について活発な議論が展開された。
市長は、企業の生産量や売上げの回復状況について、経済状況情報共有会議で分析を行い、厳しい状況を認識していると述べた。特に観光業は新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続いており、昨年度比での動向についても言及したが、宿泊業や飲食業の多くは依然として厳しい状況が続いている。
その中で、県立柿崎病院についても話題となった。市は、患者に質の高い医療サービスを提供するために病院を存続させる意向を示し、経営体制の再評価を進めていることに加え、近隣住民との協力を求める姿勢を強調した。病院後援会の活動も重要視され、地域との協力関係の構築が期待されている。
観光施策についても、上越市観光交流ビジョンに基づく地域づくりを進めるための取り組みが話し合われた。特に、新潟両津航路から小木直江津航路への転換が進められ、観光客の動線についてどう働きかけるかが今後の大きな課題となる。市は、観光施設の整備やイベント開催による観光振興が不可欠であるとし、観光マインドの底上げも図られなければならない。
加えて、デジタル化の推進も重要視され、今後の体制整備についても言及された。コロナ禍におけるデジタル化の進展を受け、市民サービスの向上へ向けた組織体制の強化が期待される。特に、高齢者のデジタル支援が求められ、日本全体でデジタル化への移行が進行中であることに注意が必要である。
英語教育の活性化策も話題に上り、教科担任制の導入や検定試験受験料の助成制度について議論がなされ、地域での英語学習を普及させる必要性が確認された。特に、上越市における英語教育の質向上が求められている中で、今後の施策実施が望まれる。
議会では、市の今後の進展に向けて期待される議論と明確な施策が求められ、この難局を乗り越えるための道筋が示されたことに、多くの議員が合意した。