令和5年12月20日、厚生常任委員協議会が開催され、上越医療圏における医療再編について議論された。
この会議には新潟県福祉保健部からの多くの関係者が参加し、医療再編の進展状況と今後の方針についての説明が行われた。特に、新潟労災病院の機能低下の影響が議題に上がり、今後の医療提供体制に及ぼす影響について懸念が示された。新潟県福祉保健部参事の和田雅樹氏は、昨年からの改善策として「上越医療圏の地域医療構想調整会議」を通じて地域の医療関係者との合意形成が進んでいることを強調した。
地域医療構想調整会議では、上越圏域での持続可能な医療を提供するための具体的な対策が議論されてきた。今年12月の会議では、具体的には「新潟労災病院の全機能を地域の他の医療機関に移行する」方向性が決定された。これにより、労災病院は閉院することが想定されているが、地域の医療機関には病床利用の最適化が期待されている。
新潟県福祉保健部地域医療政策課長の菊池雅明氏は、今後の医療ニーズに応じて、病床数を2025年の推定需要を基に調整しながら、地域全体での医療提供体制の見直しを行う必要があると述べた。状況としては、高齢者急増に伴う医療需要の変化や、実際の入院期間の短縮が影響すると思われる。
市民からの質問として、医師の偏在問題が挙がり、地域医療において医師確保の重要性が改めて強調された。特に、上越医療圏では人口あたりの医師数が低く、県内に医師が集まりにくい現状がある。平良木哲也委員は「医師不足が医療構想の進展を妨げている」と指摘し、医師の確保が急務であることを強調した。これに対し、菊池課長は、地域医療の質向上と医師の育成に向けた取り組みを強化する意思を示した。
最後に、杉田勝典委員長が会の進行をまとめ、今後も市民への説明を通じて理解を深める必要があると述べた。医療再編に関する市民説明会も開催予定であり、地域に根差した継続的な医療サービスの提供が求められている。