令和2年12月9日に開催された上越市議会定例会において、コロナ禍における農業や都市計画、災害対策など多岐にわたる問題が真剣に議論された。
最初に、コロナ禍の影響に伴う衝撃的な出来事が農業分野にも広がり、特に水稲と肉用牛に影響が出ていることが指摘された。上越市の村山秀幸市長は、農作物の販売状況について初めて厳しい報告をした。特に、肉用牛は外食需要の減少により、価格が前年同月と比較して下落したことが明らかとなった。
また、都市計画マスタープランの策定も重要な議題として取り上げられた。市内の地域ごとに、その特性を理解した上でまちづくりを進める方針が話し合われ、今後も市民の意見を反映した形で進めていく姿勢が強調された。
次に、災害に強いまちづくりの推進について、宮﨑朋子議員が一連の提案を行った。特に高齢化が進む地域での防災訓練の重要性が語られ、地元企業との連携や、災害時における協力体制の確立が求められた。市長は、地域防災組織の結成を通じて市民の防災意識を高め、災害対応能力の強化を図る考えを示した。
また、環境問題にも焦点が当たった。脱炭素社会への取組が国からも強く求められる中、上越市でも具体的な方策が必要とされている。市が目標として掲げる温室効果ガス排出量の削減に向けた具体策について、今後の進め方が問われた。市は、公共施設の省エネ化を進め、地域住民への意識啓発を図る方針を示した。
さらに、公立保育園の民営化の進展とその効果についても意見が交わされた。市は、民営化することによって縮減された財源を、更なる子育て施策に振り向けることを確約した。また、民営化後に勤務する保育士の雇用問題にも関与し、雇用継続の状況についても周知されている。
最後に、子供たちの主体的な防災教育の必要性が再確認され、黒田小学校の防災キャンプの成功事例が紹介された。市内全体で防災教育を強化し、地域の子供たちが災害に備える力を育むことが重要であるとの結論に至った。議会は、将来的に持続可能な社会を築くための手段として、教育や地域社会での意識向上を一層図る必要があると呼び掛けた。
このように、多岐にわたるテーマが議論された本定例会は、市政の重要な課題を洗い出す良い機会となった。