令和元年6月に開催された周南市議会定例会では、新市長の藤井律子氏による所信表明が行われ、今後の市政運営における方針が示された。その中で特に注目されたのが、人口減少が進む中での「まちの魅力創出」に向けた施策である。
この施策を進めるために、藤井市長は周南市の特色を生かした様々なプロジェクトを実施する意向を強調した。例えば、徳山大学の公立化や徳山駅前地区の再開発、そして地域固有の資源を活用した観光振興などである。これにより、住民が愛着を持ち、移り住みたいと感じる魅力ある地域づくりを目指す。
また、議員からは新たに設立が提案されている「市民の声を聞く課」についての関心も高まっている。市民相談室や提言箱等の現行の仕組みを統合し、より一層効果的に市民の声を吸い上げていくことが期待される。藤井市長は、これらの機能を統括することで、市民の意見を施策に反映させる方針であると述べた。
さらに、議会では「周南市の地酒で乾杯を推進する条例」案も審議された。この条例は、地産地消の精神に基づいて地域経済を活性化させることを目的としたものであるが、賛否を呼ぶ側面も見受けられる。条例の採決は、地元産業育成の一助となることが期待されており、市民の理解と協力が必要不可欠であるとの意見が多く寄せられた。
最後に、再任用職員に関する質疑が続き、現在の職員配置やその人事問題が議論される中で、市長は職員の育成を重視する考えを示した。市の人事がどう改善されていくかが、今後の市政を大きく左右することとなる。
新市長としての藤井律子氏が掲げる「安心安全に暮らせるまちづくり」に向けた取り組みが、地元住民に寄り添いながら進められていくことが重要であり、多くの市民が関心を寄せている。特に、地域住民の声を適切に行政に反映させるための具体策が求められる中、今後の周南市の施策には期待が寄せられる。