令和2年3月、小矢部市議会では令和2年度の予算案や災害時の支援体制など多くの重要事項が審議された。いずれも市民生活に直結するだけに、議員の熱心な議論が交わされている。
予算案では、特に子育て支援の予算が注目を集めた。市の福祉政策担当部長・居島啓二氏は、子供のインフルエンザ予防接種助成が減額されたことを説明し、今後の見直しを検討する意向を示した。助成額を見直す背景には、厳しい財政状況があるとされているが、市民からは不満の声があがる可能性がある。
次に、災害時の支援体制について、12番議員の中田正樹氏が質問を行った。中田氏は、自衛隊との連携を強化するための具体的な計画を尋ね、「自治体と自衛隊での連携が今後の重要項目」と強調した。一方で、総務部長・栢元剛氏は、陸上自衛隊富山駐屯地との連携を図ることに関心を寄せ、「地域防災計画の見直しや訓練参加を進めていく必要がある」と述べた。
続いて、介護施設の雇用状況については、質疑が展開された。小矢部市在住の議員は、介護職員の処遇改善を求め、現状の問題点を指摘しつつ「安定した人材確保が介護サービスの充実につながる」と述べた。民生部長・居島氏は、「処遇改善加算による業界の安定化について、引き続き取り組んでいく必要がある」との見解を示した。
また、教育長・野澤敏夫氏は、プログラミング教育に関する法改正に触れ、新たな教育スタイルについて説明。「言語や論理的思考は今後ますます重要となる」とし、プログラミング授業の充実を図る考えを強調した。
一方、市の水道事業に関しては、厳しい財政環境を踏まえ、広域化の推進が提案された。産業建設部理事・川田保則氏は、広域化のメリットとして「経営基盤の強化」を挙げつつも、デメリットへの慎重な検討が必要であることを訴えた。
新たな市民交流施設の整備も話題となった。市民から寄せられた要望の中で、石動駅周辺の活性化が求められ、官民一体とした取り組みが期待されている。市長・桜井森夫氏は「新しい図書館開館を機に市民の交流が増えることを期待する」と語った。さらに、商業施設などとの連携を通じ、新たな魅力を発信し続ける必要性を挙げた。
今回の議会では先進事例を参考にしながら、各施策の合意形成が図られた。特に、高齢者福祉や子育て支援をどうするかの議論が続く中で、地域の声を反映した政策が求められる。議会は、今後も市の発展に寄与するため、持続可能な施策に力を注ぐ意向だ。