令和5年12月の那賀町議会定例会は、住民の生活や安全に直結する多くの重要な議題が取り上げられた。
最初に焦点が当てられたのは、那賀町のおもちゃ美術館の気象警報発令時の対応についてである。議員の亀井伸幸氏は、行政と指定管理者の間での協議の重要性や、基準の設定の必要性を指摘。「指定管理者と町の協議の下、臨時休館が行われている」と説明されたが、透明性を求める意見も多く聞かれた。
さらに、自主防災活動についても議論された。現在那賀町には123の自主防災組織があり、活発に活動しているが、いくつかの団体は活動が停滞している状況が報告された。根木屋防災課長は、「住民の皆さんとの協力によって、災害が発生したときの準備作業が進められている」と述べたが、議員たちからは「公助だけでは不十分で、共助の重要性を再確認すべきだ」という意見が強く上がった。
柏木岳議員は、災害時における住民の自助・共助の必要性を強調し、住民に寄り添った施策の重要性について再三述べた。住民の声を反映することが、より良い政策の実現につながるという議論が展開され、質問は深化していった。「行政主導で進む施策に対し、議会からのチェック機能を強化すべき」との声も上がり、両者の協力の重要性が再認識された。
続いて、延野ミニ公園の公衆トイレの老朽化問題が取り上げられ、多くの子供たちが利用する場での環境整備が求められた。地域のニーズを考慮したトイレの機能改善が急務であると強調され、「地域密着型の運営が必要」との意見が出された。
また、(仮称)相生地域交流センターに関しては、新設に向けた意見交換が繰り返された。多世代から受け入れられるような施設となることが期待され、愛称募集を提案する声もあった。
最終的に、上那賀病院の救急体制の縮小に伴う搬送時間の長期化が懸念された。柏木議員は「住民の命を守るための施策が後退しているのではないか」と強く訴え、行政側にも積極的な対応を求めた。各議員の発言や提案は、地域の課題解決に向けた重要な一歩であり、市民と行政が共に協力し合う姿勢が求められている。