令和5年3月に行われた那賀町議会の定例会では、重要な議案が多数上程され、町長の坂口博文氏が計画や条例の制定に関する提案を行い、議会議員による質疑が行われた。
特に注目されたのは、那賀町個人情報保護関連の議案である。坂口町長は、「那賀町個人情報保護法施行条例の制定について」議案を提出し、その理由を説明した。これは、2021年の個人情報保護法の改正に伴う施行条例の制定を目的としており、町の個人情報管理を強化するための重要な措置と位置づけられている。この関連議案は一括して審議され、議会では賛成多数で可決された。
さらに、議案第7号は、町職員の定年引上げに関する条例の一部改正についても議論を呼び、坂口町長は「今後は段階的に定年を65歳に引き上げる計画」と述べた。議員たちからは、長期的な雇用維持についての意見が相次ぎ、町の人材確保と流動化の観点からも重要な選択肢だとの認識が示された。
その他の議案として、ケーブルテレビに関連した予算や公共施設の指定管理者に関する議案も上場され、特に「那賀町森林総合利用施設(わじきラインキャンプ村)」の指定管理者として有限会社阿南ビル管理が選ばれた理由は、その適正な管理と地域貢献が重視された。同様に、地域の観光産業振興につながる経済計画が進行中であることを町長が強調した。
質疑の中では、「那賀町おためし住宅条例の一部改正について」の重要性が述べられ、地域の移住促進策としての効果が期待さされている。議員たちからは、移住者に対する支援策や新型コロナウイルス感染症に影響された町の経済状況に応じた施策が求められた。
この他にも財産の無償貸付などの議案が取り上げられ、すべての議案が円滑に可決された。議会の全ての議案に対する討論も行われたが、総じて町民の期待に応える形での対応が町役場に求められる中、限られた予算の中での実行可能な提案が求められたことが印象に残った。今後の那賀町の施政方針がどのように展開されていくのか、議会を通じての関係者からの意見が重要視されていくこととなるだろう。