那賀町議会の定例会議が令和5年6月16日に開催され、町政に対する一般質問が行われた。
この日、各議員は住民の声を反映させるべく、さまざまな問題を提起した。特に山上健造議員は、那賀町の山村留学制度に言及し、この制度が町外からの児童に助成金を支給する一方で、町内で生まれ育った子供たちにはほとんど支援がないことを指摘した。彼は「毎月4万円を全ての町内の子供に支給することはできないのか」と提案し、町民全体への手厚い補助を望む考えを強調した。
次に、高岡勇人教育次長は、山村留学制度の目的が少子化対策であることを説明した。この制度により、那賀町への留学生が増え、移住者を促進する意義が強調された。その後、山上議員は補助制度の不公平感について懸念を表明し、「町内出身の児童にももっと手厚い支援を」と意見した。
また、田村信幸議員は、那賀町における教育のICT化について質問を行い、若者の教育水準を上げるための取り組みや、地域の学校教育が抱える課題に関して言及した。特にGIGAスクール構想の進捗や、その中でのICT支援員の役割について情報を求めた。
さらに、鷲敷地区における水道についても言及があった。水源地の水量の減少及び、その対策についての質問が飛び出し、北谷環境課長は節水の具体的な呼びかけや、新しい水源の開拓計画に触れた。
久川治次郎議員は、那賀町の医療体制の持続可能性について質疑を行い、特に上那賀病院及び4つの診療所の存続の重要性を訴えた。橋本浩志町長は、町の医療体制の維持に向けた考えを示し、「今後の施策として積極的に医師確保を進めていく」との発言があった。
また、林業についての議論も熱が入った。久川議員は林業が町の基幹産業であることから、その活性化には行政の支援が不可欠であると述べた。町長は人材育成や森林整備の重要性を指摘し、若者が林業に従事しやすくなるような施策の必要性を感じている様子を見せた。
その後の議論では、国道や県道の崩落問題について、久川議員からう回路の重要性や道の整備状況に関する質問があり、上田善浩建設課長は、改良工事についての進捗状況を報告した。
議会は活発な質問と回答を交え、住民のニーズに応えるための町政のあり方について議論を深めた。住民の生活に直結する問題をテーマにした会議は、町の未来を見据えた重要な場となった。今後も那賀町の課題解決に向けた取り組みが期待される。