令和5年6月15日に開催された那賀町議会定例会議では、多数の議案が上程され、適切な議論を経て可決された。最も注目されたのは、那賀町ふるさと寄附条例の一部改正および消防団員の定員に関する条例の一部改正であった。
特に、那賀町ふるさと寄附条例の一部改正により、寄附金の使途が拡大されることになった。これに関し、三好まち・ひと・しごと戦略課長は、「寄附金を財源とする事業が追加され、地域振興が期待できる」と強調した。この改正は地域づくりの一環として位置付けられ、住民が安心して結婚、出産、子育てできる環境づくりを進めることを目的としている。
また、消防団員の定員についても、現行の600人から560人へと減少させることが議決された。根木屋彰文防災課長は、「消防団員の実員数が542人であり、体制を合理化するための改正を行うことになった」と述べ、その必要性を訴えた。
さらに、令和5年度の補正予算案に関する議案も上程された。この予算案では、新型コロナウイルス関連の地方創生交付金や地域活性化施策に必要な経費が含まれており、合計で111億円を超える規模である。特に、道路橋梁費や教育関連費が計上され、町のインフラ整備や教育環境の充実が図られることが期待されている。
議会の討論の中では、住民課の湯浅正惠課長が代替バス運行に関する質問に対し、「朝、昼、夕方の3便運行しており、運行状況を見直す必要がある」との考えを示した。これに基づき、より多くの便を設定することが議論される場面もあった。また、鳥獣被害防止総合対策事業についても質問があり、ニホンザルの生息域の拡大に対する対策が重要視されていることが確認された。
今回の議会では、議会改革に向けた取り組みも進められ、「子育て中の議員が活動しやすい環境を整えるための施策」が提案された。この提案に伴い、託児所設置の可能性が探られるなど、地域住民が感じる課題に対する配慮が求められている。その結果、今後の会議においてさらなる議論が進む見込みである。
また、さまざまな請願や陳情に対しても、今後の対応が求められ、特に物価高騰に伴う生活保護基準の見直しに関する請願が議論を呼ぶことが予想される。政府への要請内容は、生活環境の改善に向けた切実な声を反映していると考えられる。