那賀町議会の定例会議が9月8日に行われ、各議員がさまざまな町政に対する質問を行った。本会議では特に新型コロナウイルス感染症対策、地域企業育成、国道195号線の改良計画、そして耕作放棄地対策など、重要なテーマについて議論された。
新型コロナウイルス感染症対策に関して、田村信幸議員はワクチン接種の進捗状況や、接種を希望しない高齢者の動向について質問した。坂口博文町長は、希望者への接種を9月中に完了させたいとの意向を示し、特に若い世代の接種促進に力を入れる考えを強調した。また、教育長の岡川雅裕氏は、教育機関における感染防止対策を強化するための取り組みを述べ、オンライン授業の実施可能性を高めるよう努力していくことを表明した。向こう数ヶ月、特に秋の台風シーズンに関する懸念も述べられ、町内の災害対策についても改めて注目が集まった。
地域企業の育成支援に関連して、大澤夫左二議員は、株式会社きとうむらに対する貸付金の取り扱いについて質問した。町長は、過去の貸付金の経緯と現状について説明し、「きとうむら」の貢献性を踏まえた形で何らかの支援策を講じる意向を示した。特に、新型コロナウイルスの影響で状況が一変した現在、企業と協力しながら、町内経済を活性化させる策を講じる必要性が訴えられた。
また、国道195号線の改良に関する議論も盛況であった。株田茂議員は、同路線に存在する危険な交差部や統一的な改良の必要性を述べ、県当局への要望、協力を求めた。町長は、国道195号におけるトンネル建設計画については、県民局との協議を行い、長期的な改善施策を進めていきたいとの考えを述べた。国道は交通量が多く、町民の生活や経済にも大きな影響を与える重要な路線であるため、この施策は緊急性を帯びている。
農業振興に関する質問が行われ、新居議員は耕作放棄地の増加に対する危機感を示した。近年、農業人口の減少や高齢化に伴い、耕作放棄地が増加する一方、農業収入の低下が農業の持続可能性を脅かしている。町は農地バンクを利用し、農家への支援を行なっていく方針を示したが、今後の施策の強化が求められる。
町長はこのように述べた。「我々は掲げられた課題に対しどのように取り組んでいくか、引き続き議会との連携を深めていくつもりである」とし、住民の声を反映した町政運営がなされるよう尽力する意向を示した。議会では、住民が安心して暮らせる町づくりに積極的に取り組む必要があるとの共通認識が生まれた。