令和5年9月、美波町議会定例会において、公共施設の老朽化対策が議論された。
片山正敏議員は、上水道施設の老朽化について問題提起した。特に赤松地区の水道設備の不具合について、早急な更新計画の必要性を強調した。水道課長の住田浩一氏は、この問題について謝罪し、具体的な対策として582メートルの送配水管の更新を行うことを述べた。加えて、昭和47年設置の配水管2,500キロの順次更新が計画されているとも言及した。
また、片山議員は国の権限移管に伴い町の水道整備・管理の見直しが必要だと訴えた。住田氏は、町としての情報収集を重視し、利用者の利便性向上とコストダウンを目指すと答弁した。
次に、小部博正議員が美波町のブランド米「乙姫米」について質問した。農業の活性化を目指し、乙姫米の作付けを維持するための施策が求められる中、産業振興課長の岸本博志氏は、高付加価値商品としての乙姫米の販路を確保する方向で努力する意向を示した。しかし、高齢化による生産者の減少は課題となっている。
さらに、中川尚毅議員は高台整備について、由岐湾内での自主防災会の取り組みを紹介した。この計画の進捗状況について、消防防災課長の前野充則氏は、現在地籍調査が進んでいることを伝えた。また、避難所の設置についても地域住民の協力が必要であるとし、地域資源を活用する柔軟な対策を進めることを示唆した。
今議会での一般質問では、公共施設の老朽化対策や地域のブランド米の維持、さらには防災対策など、町の将来への対策が多岐にわたり議論されたことが特徴的であった。これらの課題に対する議会の積極的な姿勢がインフラの安全性や地域活性化に寄与することが期待される。