令和6年度阿南市一般会計当初予算案が発表され、その内容には増加する市民ニーズへの応答が求められている。その中でも特に注目されるのは市の財政運営と、それに伴う施策がどのように展開されるかという点だ。
本予算案は341億円に達し、前年比3.2%増が見込まれている。この額に含まれるのは、特に市民の命を守り育むことを重視した施策の数々である。市長の岩佐義弘氏は、予算編成にあたって、教育環境の整備と防災対策を重点施策に位置付け、特に子育てに関連する支援策を強調した。
関連する話題として、星加美保議員が指摘したのは、令和6年度の予算に含まれる財政調整基金への繰入れだ。星加議員は「財政調整基金が25億6,200万円繰り入れられ、残高は39億円に減少する見込み」と述べ、その管理運用の不安を示唆した。この背景には、増え続ける市の財政負担が関連している。
市長は質問に答えて、「大規模な事業には市債を活用する」とし、外部資金を確保することの重要性を述べ、長期的な視点での安定した財政運営を目指す考えを強調した。一方で、財政調整基金の状態を懸念する声も無視できない。特に、基金の運用が評価損益の面で影響を受けているとの指摘もあり、これは市民の貴重な財産に関わる問題である。
他にも、南海トラフ地震対策においては、市の水道管耐震適合率が低さが指摘された。南田修副市長は「基幹管路の耐震適合率は14.8%であり、今後更なる耐震対策と強化が求められる」との考えを示した。
加えて、学校給食の無償化に関する公約も議論の焦点となっている。市長は「段階的に無償化を目指して行く」と見通しを示す一方、具体的な施策の道筋については市民との対話を重ねていく必要があると強調した。