令和3年9月定例会議が行われ、住民訴訟、鳥獣被害対策、GIGAスクール構想など幅広いテーマにわたる議論が交わされた。
特に注目されたのは住民訴訟についての松本 晋児議員の質問だ。彼は美波町の住民が行った訴訟に関連して、過去5年間に発生した裁判に伴うコストを問い、大きな損失であったと述べた。裁判費用は146万5804円に上り、台帳に記載された各関連費が町民の税金から支出されていることに危機感を示した。
続いて、鳥獣被害対策について意見が交わされた。向山 篤宏議員が有害鳥獣による農作物被害の実態を問いただし、町が行うべき対策や被害状況の把握を求めた。産業振興課の近藤 和人課長は、過去3年間の捕獲数や獲物の種類を披露し、被害報告に基づく効果的な対策の必要性を強調した。特に、シカやイノシシの捕獲数は過去3年で減少傾向にあるものの、サルの捕獲は依然とし難いと指摘し、里山の生態系の保護が注視されている。
GIGAスクール構想の導入も本議会の重要な議題であった。北山 朝彦議員がタブレット端末の導入状況を問うと、教育長の寺内 康博氏は令和2年度から全生徒にタブレットが配備され、今後の授業への活用を目指すと説明した。
またマイナンバーカードの健康保険証利用への紐づけについても議論された。総務課の浜 孝至課長は、マイナンバーカードを利用することで健康保険証としての機能が強化される一方で、情報流出等の懸念について慎重な姿勢を持っていると答えた。特に顔認証システムの利用については国の制度設計の上で進められるため、美波町としては慎重に取り組む必要があるとした。
今回の会議では、町民が直面する様々な課題について幅広く討論され、今後の対応が求められるとともに、施策の展望が示された。住民訴訟に関する透明性の向上や鳥獣被害に対する効果的な対策、GIGAスクールの実施など、各議員の意見が建設的な方向へ向かうためには、自治体のしっかりとした取り組みが必要とされている。