令和元年12月11日、美波町議会にて第4回定例会が開催され、多くの議案が審議された。特に注目を集めたのが、「美波町部落差別撤廃及び人権擁護に関する条例の全部改正」である。
この改正案は、平成28年に施行された部落差別解消の推進に関する法律に基づいており、条例の目的を達成するために必要な施策を積極的に推進するとしている。住民生活課長の南 豊美氏は、改正の目的について「部落差別をはじめあらゆる差別を解消すること」を強調した。
また、法の下の平等を定める日本国憲法に則り、町及び町民の責務を明確化する意義も語られた。具体的には、町民が基本的人権を尊重し、差別撤廃に向けて協力することが求められる。
議案に対する質疑では、中川 尚毅議員が、「条例の改正にあたって、改正内容が実質的にどのように差別問題に寄与するか」質問を行った。南氏は「部落差別が未だに残っているという現実を受け止め、教育及び啓発の充実が不可欠である」と回答した。
次に、議案第60号の成年被後見人の権利に関する条例についても議論が交わされた。これは新たに成年被後見人が不当に差別されないための施策を盛り込んだもので、特に質疑では、権利が制限されることがどのように適正化されるのかが焦点に。一方、議案第66号の体験活動施設の指定管理者についても報告され、「株式会社あわさんさん」が指定されることが決定された。
さらに、議案第64号の水道事業職員の給与に関する改正、議案第63号の水道事業の設置についても可決され、部落差別撤廃条例とともに人権尊重の姿勢が明確に示される結果となった。議会は、地域住民の人権擁護のため、今後も継続的に取り組みを進める意向を示している。