阿南市議会の令和元年9月定例会が9月11日、阿南市役所で開催され、市政に対する一般質問が行われた。
本日の一般質問では、陶久晃一議員が少子高齢社会における重要課題である医療や介護、地域振興の取り組みについて市長の考えを問いただした。
陶久議員は、自身の質問の中で、期日前投票の充実を図る提案をし、選挙管理委員会が実施した提示の評価を求めた。最近の参議院議員選挙において、阿南市の投票率が39.5%に留まったことを受け、陶久議員は「移動が困難な方々への投票所の設置が必要」と訴えた。加えて、陶久議員は「高齢化が進む中で、投票率向上は自治体の責任だ」と強調した。
さらに、医療センターの開院後の交通アクセスの改善にも言及した。新たに運行が始まった路線バスについて、陶久議員は「集約された交通手段の改善が重要」とし、実際の乗車率などの実情調査を求めた。交通の便が改善されるにつれ、患者の利便性が向上する考えである。例えば、医療センターに通院する患者さんが、朝の混雑時に駐車場を見つけるまでに多くの時間を費やすケースとして、陶久議員は具体的な事例を挙げた。
陶久議員は続いて、介護保険事業の現状についても触れた。2000年から続く介護保険制度のもと、介護認定者は急増し、与えられる給付額も増加している。特に阿南市では、実施している事業の進捗状況を踏まえ、今後の新たな課題について指摘した。陶久議員は市長に「新しい取組が有効に機能しているか、さらに強化すべき点があるか」と掘り下げた質問を行った。
また、地域の伝統芸能を通じた文化交流の促進についても言及し、市民同士の生の交流を図る機会を設ける必要があると強調した。陶久議員は、地域の祭りにおいて伝承されてきた芸能の復興に向けた具体的な施策を実行するよう、行政からの支援が求められていると述べた。
市長は全ての質問に対し、重要な課題に対する対応策を講じていく考えを示し、特に選挙管理については「積極的な啓発活動を継続していく」と発言。医療、介護、地域振興に関する様々な施策についても、「地元住民が安心して生活をしていけるような環境をつくる」と述べ、その必要性を強調した。
全体として、議員たちから多くの実情に基づいた質問や提案があり、今後の阿南市の施策に大きな影響を与えるものとなる見込みである。市民が直面している実際の問題を解決するため、議会や行政が一丸となって取り組む姿勢の必要性が改めて浮かび上がった。また、各議員の質問に対する市長の柔軟な対応が今後の市政運営においても重要となる。