令和3年6月16日、阿南市議会の定例会が開催され、各議員が市政に関する一般質問を行った。
冒頭、18番の小野議員は新型コロナウイルス感染症への対応について言及し、政府の指導が不透明で混乱が生じていると述べた。特に、東京五輪のワクチン接種に伴う混乱が懸念され、コロナ対策を終わらせる同時に五輪も進めることへの不安を示した。
続いて、表原市長は阿南市総合計画「咲かせよう夢・未来計画2028」についてコメントし、市民への理解を深めるため、広報活動に注力する考えを示した。この計画は市政運営の指針であり、市民参加の重要性を強調した。
また、小野議員が特に指摘したのは、食料自給率向上についてである。新型コロナウイルス感染症収束後、日本社会が直面するであろう厳しい経済状況に備えるため、地方の農業支援が必要だと訴えた。特に、自給率が低下する中、農家支援と消費者の意識改革が求められるとし、国産品を選ぶ消費者の意識を高める重要性を訴えた。
さらに、消防団員の減少についても言及され、団員の処遇改善や社会的地位の向上を達成するための具体策が必要であると議論された。近年、全国的に消防団員が減少しており、阿南市でもその傾向が続いている。
他にも、観光振興施策や文化施策に関する質問が出され、特に、市民が自らの文化や歴史を学ぶ機会の拡充が重要であるとされた。観光関連でも、外部からの消費を促す施策が必要であり、各自治体との連携を強化していくべきとの意見が多く聞かれた。
最後に、高速道路の開通に合わせた企業誘致や開発規制の見直しについても議論が及び、阿南市の将来に向けた具体的な政策の必要性が強調された。市長は、官民連携による持続可能なまちづくりを目指し、地域の特色を生かした開発に対する熱意を示すとともに、地域経済の振興に努める姿勢を表明した。そして、すべての議員が提案した課題に対して、今後も分析を進めていくことを確認した。
本日は、これらの議論を通じて、阿南市政における重要なテーマが浮き彫りとなり、市民の生活向上に向けた施策の実行を促す意見が多く寄せられた。