令和元年9月、阿南市議会では市政に対する一般質問が行われ、岩浅市長が次回市長選に出馬する意向を表明した。市政においては多くの施策が実施されてきたが、一方で依然として課題も残っている。
最初に、岩浅市長は過去16年間の市政を振り返り、地域医療の充実や子育て支援に力を入れてきたと強調した。特に、阿南医療センターの開設や健康づくりセンターの整備など、市民の健康を守る施策を推進してきた。その結果、阿南市が子育てしやすい環境へと発展したことが報告された。
しかし、市長は引き続き多選に対する懸念が存在することを理解しており、「多選の弊害」が指摘される中でも地方創生を図る必要性についても言及した。特に人口減少や高齢化の進展は地方自治体にとって深刻な課題であり、その解決に向けた政策が求められている。
野村議員からは、阿南市の立地適正化計画に関連した質問があり、今後の都市構造について説明が求められた。岩浅市長は「今後も地域の特性を活かして、都市機能の集約化を進める必要がある」と述べ、暮らしやすさを重視すると語った。特に、公共交通機関の充実や高齢者に配慮した施策の推進が期待される。
また、教育に関しては、稲村教育長が就任後の教育環境の整備に取り組み、地元の小学校の防災教育が全国的に評価を受けていることも紹介された。教育長は学校の基盤を見直し、子供たちの学びを質の高いものにすることを目指している。
一方、高齢者ドライバーの安全運転確保に向けた施策も求められ、急発進防止装置の助成について具体的な計画が示された。市民部長は「高齢者の安心安全な運転環境を整備するため、助成制度を整備する考え」と答弁した。
ついで、幼児教育・保育の無償化に関連する議論も取り上げられ、無償化に伴う市の財政負担や保育士確保の新たな取り組みが検討されている。市長は「完全無償化を目指し、すべての子供が安心して育つ環境を整える」と力強い意気込みを示した。
最後に、JA徳島厚生連との協議を通し、阿南共栄病院の跡地利用の方向性についても明らかにされ、地域に必要な公共施設整備の重要性が強調された。今後の投資と公共サービスの強化が市民生活の充実に寄与すると期待される。
このような中で、阿南市の持続的な発展と市民の生活向上を目指す施策の進展が、今後さらに注目されることとなる。今後も市民の声を取り入れつつ、効果的な政策で疑問に応えていく姿勢が重要である。