令和5年12月25日、阿南市議会は市政に対する一般質問を実施し、盛りだくさんの議論が行われた。
市長の岩佐義弘氏は、物価・燃料高騰対策についても議論の焦点となった。特に現金給付に関して、全世帯に一律10万円を給付するとする公約を掲げた。
横田守弘議員は、連続して給付金の公平性を質問した。彼は説明の中で、給付対象を全世帯にする一方で非課税世帯には追加の支援があるため、逆に過剰になる恐れがあると強調した。また、給付の基準日を12月1日とし、約3万1,500世帯が対象になると市長は答えている。
また、物価高騰により家庭の生活負担が増加している現状を説明して、市民への支援策をアピールした市長は、積極的な財政運営を踏まえた政策を進めると述べた。しかし、給付金の財源については、市の財政調整基金からの取り崩しが行われるとし、そこに疑問の声が上がっている。専門家から確認を取ったうえでの給付策であるかとの懸念も表明された。
続いて、地域振興、特に第1次産業の振興についての質問があった。横田議員は農業や漁業が衰退している現状を指摘。市は自然環境に配慮した振興策を推進するとしているが、地域住民とともにより具体的な施策を考えてほしいと願う声が聞かれた。
岩佐市長は、この状況を受け、市街地と周辺部の公平な発展が必要と回答。彼は地域特性を生かす施策を行いつつ、人の移動を円滑にする施策も進めているとのこと。
最後に、教育問題に関連する全国学力・学習状況調査の結果も取り上げられ、市の教育長は各教科での課題を分析し、今後の指導体制にいかに活用するかについて述べた。特に思考力や判断力を問う問題への取り組みが必要であるとの見解が示された。
こうした多様な質問に対し、市長や各部長はそれぞれ質問に応じ、阿南市の発展に向けた取り組みの方向性を示した。地域の未来を築くためには、市民とのコミュニケーションを深化させることが欠かせないとの注意喚起の声も聞かれ、今後の市政運営に期待が寄せられている。