令和6年6月に開催された第396回定例会議では、さまざまな議題について議論が交わされた。
特に注目を集めたのは、榊真衣子議員による子育て支援の新規事業、ママパパリフレッシュ支援事業に関する質疑である。この事業は、保育所に通っていない子供を持つ保護者を対象に、一時預かりの実施を通じてリフレッシュを促すものである。この取り組みについて、榊議員は具体的な計画や実施状況を市長に尋ねた。
森島武芳市長は、この事業により「保護者のリフレッシュとともに、保育施設に対する理解を促進することが期待される」と述べた。また、対象外の保護者にはファミリーサポートセンターを利用することが推奨されていることも明らかにした。
榊議員は再質問を通じて、保育所を利用することなく在宅育児をしている保護者が抱える障壁の克服についても言及し、「利用のハードルを下げるためには心理的支援も重要である」と訴えた。市長は、保護者の心理的ハードルを軽減するために「まずやってみることで、利用実態や課題が見えやすくなる」と応じた。
次に、森林環境譲与税に関する質問があり、伊藤幹夫議員が市の取り組みを評価しつつ「木材利用の具体的な取組を」と促した。農林課の村上治良課長は、地域林政アドバイザーの雇用や森林経営管理制度の推進を通じて、森林整備や人材育成に力を入れている旨を報告した。
続いて、道路網の整備についても質疑があり、市長は矢板北スマートインターチェンジと国道4号線の接続が「地域の利便性向上や産業活性化に寄与する」と述べた。また、耐震化についても求められ、柳田恭子水道課長は、「県目標の43%達成は厳しいが、段階的に取り組む必要がある」との見解を示した。
一方で、金属窃盗被害が増加していることへの警戒も強調され、生活環境課の山口武課長が防犯対策の重要性を訴えた。さらに、高齢化社会への対応に関しては、コンパクト・プラス・ネットワークの構築が地域の持続可能性を高めると述べられた。