令和3年12月に開催された矢板市議会では、浄化槽管理や放置空き家対策などが議題に上がった。
特に、浄化槽管理に関しては、掛下法示議員が浄化槽の法律的管理の重要性を指摘した。浄化槽は、全国的に水洗化が進む中で重要な役割を果たすが、法定検査の未実施が問題視されている。実際、矢板市では、令和2年度の浄化槽の未実施率が約25.6％と高い水準であり、早急な対応が求められている。下水道課長の江連康一氏は、浄化槽台帳の整備と法定検査の実施率向上に向けて努力する意向を表明した。
また、放置空き家については、伊藤幹夫議員が地域住民からの早期通知制度導入を提案した。空き家は近隣の住民による早期発見が重要であり、せめて管理不十分な空き家の状況を近隣住民が迅速に把握できる仕組みが求められているとした。この提案に対し、都市整備課長の佐藤裕司氏は、市として現行の取り組みを強化する意向を示した。
新型コロナウイルスワクチン接種についても関心が高まっている。市では、2回目接種を終えた市民が86.21％に達しており、県平均を上回る接種率を記録しているとのこと。しかし、これからの3回目接種に向けた準備が進められている中、接種記録システムの不備が課題として浮上している。健康増進課長の村上治良氏は、接種券発行に向けたデータ整備が急務であると述べた。
国道4号の拡幅とバイパス整備に伴い、新設される可能性がある道の駅についても議論が行われた。特に、道の駅が地域活性化の拠点となり得るとの指摘があり、経営の継続性について慎重な検討が必要であるとの意見が多かった。市長の齋藤淳一郎氏は、財源の確保を見据えた上で道の駅新設の検討をする考えを示している。
最後に、新堀川の改修に関しては河川の排水機能向上を目的とした工事が進行中であり、予定していた区間の約7割が整備済みとの報告があった。今後も市民の安全確保に向けた水管理が重要であるとされる。これらの議題は、地域の実情に即した課題解決へと続く重要なステップである。