令和3年6月定例会において、矢板市議会は新型コロナウイルスワクチンや移住・定住施策、さらには社会問題に対する支援について議論された。特に、新型コロナウイルスワクチンの有効性と、ワクチン接種に関する市民への正確な情報の提供が主要な焦点となった。
小林勇治議員は、ワクチンの有効率95%の意味について議論を提起し、国が行った大規模な抗体検査の結果、免疫の獲得状況を把握することの重要性を強調した。
市長の齋藤淳一郎氏は、正確な情報の発信が必要であり、特にワクチン接種は強制ではなく、本人の同意に基づくものであると説明した。また、すべての接種者には事前にインフォームドコンセントを行い、リスクとベネフィットを説明していることを強調した。
次に、接種を巡る環境についての議論も交わされた。神戸市が実施する中学校や高校での集団接種の例が紹介される中、知らなかった場合の差別や人権侵害につながらないような市の取り組みについて、市長が慎重に考慮すべきと述べた。
さらに、自治体の取組に関する質疑が行われ、那須塩原市の新型コロナ人権侵害防止条例の制定が参考にされ、矢板市でも同様の取り組みが必要であるとの意見が出た。市長は、これまでの矢板市における人権についての方針を踏まえつつ、人権侵害を防ぐ活動に取り組んでいく意向を示した。
また、移住促進に関する施策も議題に上がり、児童への教育施策やデリバリークーポン券、SNSの活用についての意見交換がなされた。高瀬由子議員は、デジタル教材を使った学習支援を強調し、市の教育長はそれに対し、デジタル教材の導入が既に進められていると答えた。さらに、地域経済活性化に向けて、デリバリーサービスやオンライン相談体制を整えることも議論され、矢板市として多様な戦略を採用していく方針が示された。
今後は、こうした方針に基づき、更なる施策を展開し、すべての市民が安心して生活できる社会の実現を目指すとともに、地域の特色を生かした取り組みを進める意向が確認された。