令和元年9月11日、那須塩原市議会は定例会を開催し、市政一般質問が行われた。注目の議題には農業の担い手育成やオリンピック新種目に関する振興策が含まれており、特に高齢者の社会参加支援や幼児教育の無償化、副食費の取り扱いについても活発な議論が交わされた。
まず、小島耕一議員は、農業の担い手不足に対する本市の取り組みを問うた。市長の渡辺美知太郎氏は、「担い手育成支援係を設置し、次世代を担う農業者の育成を進める」と強調した。具体的には、農業次世代人材投資事業の現状や、若手女性農業者の支援策に関する詳細な報告が行われた。
また、森本彰伸議員は、高齢者の社会参加支援についても言及した。特に高齢者の就職支援施策の必要性について市は慎重な姿勢を示しつつ、令和2年度には調査を行い、実態を把握する意向を示した。
さらに、オリンピック新種目であるスケートボードとスポーツクライミングの振興策が議論された。教育部長は、「現在は新たにスケートパークやクライミングウォールの設置予定はないが、既存の整備計画をもとに検討を続ける」と述べた。特に、これらの施策は若い世代への競技環境整備として重要であり、市の意向としては地域振興に資するとの方針が示された。
市議会では、ドライブレコーダーの設置促進や犬猫の殺処分回避に向けた取り組みも話題となり、生活環境部長は、「犬や猫の捕獲数が高止まりし、地域住民との連携強化が不可欠」とした。一方で、特に青木地区では野犬の問題が深刻化していることから、さらなる捕獲策の要望があった。
幼児教育の無償化に伴う副食費の取り扱いについても質疑があり、副食費は保護者の負担があることが指摘された。市は「食材費の実費負担を避けるため、各種の支援を検討している」と述べ、引き続きその状況を注視する方針を示した。
今回の定例会では、複数の重要なアジェンダについて議論がなされ、今後の市の施策と市民生活の充実に向けた前向きな取り組みが期待される。特に、農業振興や高齢者の就労支援、スポーツ振興が注目を集め、今後の進展が待たれるところである。