令和5年6月5日に開催された那須塩原市議会の定例会議で、市長は現在の観光施策である「ＯＮＳＥＮ・ガストロノミーウオーキング」について報告した。この施策は新型コロナウイルスの影響を受けながらも、地域産品を利用した体験型観光イベントを展開している。
初回の実施は令和2年度で、板室温泉周辺で100人が参加し、以降も対象を拡大して継続されている。令和4年度には西那須野エリアで実施され、162人が参加した。これまでも参加者からは98％の高満足度を得ている。特に、地域特産品を使用した料理を通じ、他地域からも参加者を呼び込むことに成功している。さらに、温泉入浴券を提供し、地域の魅力を体験する機会を設けているという。
温泉と連携した施策については、地域の飲食店と協力して地元の食材を使ったメニューを展開し、相乗効果を発揮している。特に開催日以外にも料理が提供できるよう、事業者が積極的に関わることが重要であり、観光局との共催により更なる相乗効果を期待している。
また、日本遺産との連携についても、認知度向上に努め、地域の歴史文化を観光資源として活用することが計画されている。今年度の実施には、周辺地区への広域連携も検討され、西那須野地域を含む広域での観光情報発信を強化している。
フードドライブについては、食品ロスの削減と地域の生活困窮者支援を目的とし、継続的な活動を実施している。そのためには、官民連携が重要で、地域の福祉推進の観点からもフードドライブを周知させていく。現状の取り組みや、今後の活動内容の整備も必要とされている。
市長は、那須塩原市が持つ多くの観光資源を日常的なお出かけの一部として楽しむ機会を、市民に提供したい意向を表明した。地域の農林水産物を使った製品は、全ての事業者から選ばれることが期待され、市民や観光客により良い体験を提供し続けることが目標である。