令和6年3月29日に行われた那須塩原市議会定例会議では、災害対策に関する重要な市政一般質問が行われた。
特に、災害に対する備えについては、室井孝幸議員が強い関心を示した。議員は今年の元日に発生した能登半島地震を引き合いに出し、地震や風雨災害に対する備えの重要性を訴えた。具体的には、防災倉庫の設置状況や備蓄品の現状などについて質問があり、総務部長の後藤修氏が具体的な回答を行った。
後藤部長は、防災倉庫は指定避難所の53か所中51か所に設置され、備蓄品にはアルファ米や飲料水、簡易トイレなどさまざまな備品が含まれていると述べた。また、避難所の生活環境を維持するため、その備蓄の充実が必要であると強調した。室井議員は、備蓄品が災害発生時に十分であるか懸念を示し、今後の改善を求めた。
また、堤正明議員からは、本市の大規模災害発生時の対応についての質問が寄せられた。堤議員は、特に水の供給体制や火災対応についての詳細な質問を行い、市長の渡辺美知太郎氏がその全体像を説明した。市長は、災害時のトイレの確保が重要であることを認識し、実効性のあるガイドラインの策定の必要性を述べた。さらに、トライアル・サウンディング制度により市有施設の有効活用を推進している旨を語った。
熊の目撃情報については、全国的に増加傾向があり、過去に熊による惨事が発生していることから、齋藤寿一議員はその対策を問うた。市の対策として、目撃情報の通報体制の強化や市民への注意喚起を目的とした周知を実施していることが説明された。市は、県北地域での鳥獣被害対策連絡会議に参加し、近隣市町との情報共有についても努力しているという。
最後に、コンビニとの連携によるトイレの確保についても言及された。総務部長は、本市でのトイレ問題を重要視しており、コンビニ店との協力に向けた検討を進める意向を示した。市内の公共施設においてもトイレが稼働すれば、特に有事における市民の不安を軽減できるとの見解を示した。
全体を通じて、議会では災害に対する備え、安全対策の重要性が強調され、市当局もそれに応じたさまざまな対策を実施することが求められている。特に、具体的な施策が市民生活に直結するため、各議員の意見も重要とされ、今後の動きに注目が集まる。