令和4年12月の定例会議で、那須塩原市議会では様々な議題が取り上げられた。特に重点的に議論されたのは、空き家等対策と学校施設の整備、そして地域社会の孤立防止策であった。
空き家に関しては、星野健二議員が、近年の少子高齢化により、人口減少が進んでいることを踏まえ、空き家の増加傾向について質問を行った。市長の渡辺美知太郎氏は、空き家の現状を把握し、対策の一環としてリフォームし民泊へ転用する事例を示した。市の空き家バンクの登録状況も紹介され、登録物件数が少ないことに対して、さらなる登録促進の必要性が強調された。
また、学校施設の整備については、教育委員会からの報告があった。人数は減少しているが、教育環境を向上させるため、新たな整備計画が進行中であることが説明された。特に、児童生徒数の見通しに関しては、今後も減少傾向が続くとの予測が示され、そのための学校適正配置基本計画の策定も必要であるとされた。併せて、地域に根差した教育方針が求められている。
そして、社会的孤立に対する問題も議題に挙げられた。林美幸議員からは、地域住民の見守り活動の重要性が指摘され、地域支え合い推進員の役割についても論じられた。地域の孤立を防ぐためには、医療や福祉との連携が不可欠であり、リンクワーカーの存在が求められるとの認識が広がっている。
金子哲也議員は、ぽっぽ通りを花で満たすための支援制度の提案をした。市が植物の育成に対してもっと積極的に取り組むべきとの意見が出された。さらに、那須特別支援学校の寄宿舎についても議論され、寄宿舎の存続が地域において重要であるとの声が上がっている。市として、保護者の不安に寄り添い、地域での教育環境を守るための対策が求められている。
接骨木地区の大規模養鶏場計画についても注目を集め、住民の懸念が示されている。事業者側と市は住民とのコミュニケーションを深めていくことが望まれるところである。これにより地域社会の安心・安全が保たれることが期待されている。市は事業遂行の過程で、市民の声に耳を傾ける姿勢を見せることが必要であり、そのための環境整備を進めるべきと考えられている。今後の議会での議論が注目される。