令和2年第5回那須塩原市議会定例会が、11月30日午前10時に開会した。
本会議では、主に予算編成の方針と新型コロナウイルスの影響に関する議題が取り上げられた。特に、令和3年度の当初予算編成方針について、眞壁俊郎議員(志絆の会)が詳細に質問を行った。
眞壁議員は、新型コロナウイルスの影響による税収の減少を懸念し、令和2年度の税収見込みと令和3年度の予算編成について質問を展開した。具体的には、令和2年度の税収が当初予算から3億円から5億円程度の減収を見込み、令和3年度は10億円から15億円の減収となる見通しが示された。市長は「感染症拡大への対応と地域経済活性化の両立を図る」ことを強調しており、今後の予算編成に対する柔軟な姿勢も求められた。
また、コロナ対策事業費についても言及があり、令和2年度の新型コロナ対策事業費が約148億円になる見込みで、市の負担は約5億2,000万円であることが説明された。これにより、税収が減少する中でも市の財政が安定していることが強調された。
次に、第2次那須塩原市総合計画実施計画と那須野が原グリーンプロジェクトの進捗に関しても議論された。市長は、グリーンボンドの発行や省エネルギー推進事業の必要性について説明し、「持続可能なまちづくり」を目指す意義を述べた。特に、地域の再生可能エネルギーを活用し、災害に強いまちづくりを推進するための施策が求められている。
分散型社会構築に関して、市長は「新型コロナ禍を追い風にし、企業の那須塩原市への移転を促進する」意向を表明した。東京一極集中のリスクを考慮し、地方創生を一層進める姿勢が示された。
最終的に、議案110号および発議第11号については原案通り可決され、那須塩原市の職員給与や議員報酬に関する条例改正が承認された。議事が終了し、会議は午前11時16分に散会された。