令和元年第3回那須塩原市議会定例会が、6月19日に開かれた。市政一般質問では、主に、塩原視力障害センター跡地の取得や幼児教育の無償化、公共交通網などについて議論された。
塩原視力障害センター跡地の取得に関して、21番の齋藤寿一議員が、財務省との交渉の進捗状況を問うた。市長の渡辺美知太郎氏は、平成29年に要望書を提出しているが、国有地の残地が発生するなど問題があるため、協議を重ねていると説明した。彼は、今後取得に向けて地域の特性を考慮しながら進めると強調した。議場では、この跡地の活用が地元振興につながる期待も述べられた。
次に、幼児教育の無償化については、齋藤議員がその影響と現行の取り組みを問うた。市長は、無償化が進められることで利用者にとっての負担が軽減される点を強調した。市では無償化に向けた整備を進めており、具体的には保育園や認定こども園などにおいて、3歳から5歳までの利用料が無償になる見込みだ。
公共交通網に関する議論も行われた。8番の齊藤誠之議員は、市内の公共交通の現状や課題について質問した。市長は、バスやタクシーなど交通手段の充実を図るため、地域の実情に合った運行を目指していると述べた。また、利用者の利便性向上のため、発着便数の増加や停留所の整備などに継続的に取り組んでいく重要性を訴えた。
さらには、本市の学校教育に関する議論も盛り上がった。教育長の大宮司敏夫氏は、小中一貫教育とその効果について説明した。現場で教科担任制が進められ、特に算数や英語教育において効果が見込まれるため、今後の取り組みを強化する考えを示した。無償化と教育改革の進展に期待を寄せる意見も相次いだ。
最後に、渡辺市長は那須塩原市の未来図として、観光振興と地域振興を掲げ、持続可能なまちづくりを推進する意向を表明した。市民参加型の議論を重視し、地域の特性を生かした柔軟な政策を展開することで、那須塩原市をさらに魅力的な地域に育てていくとした。