裾野市議会が令和2年3月に実施した定例会では、議員たちが市民の意見や現状を踏まえた施策について議論した。この中で一際注目されたのは、2019年に実施された市民意識調査の結果である。
特に基金の有効活用に関する議論が盛り上がり、賀茂博美議員が財政調整基金の運用状況や繰替え運用の現状について質問した。会計管理者の土屋敏彦氏は、情報公開が不足しているとの指摘に対して、すでに過去5年間の繰替え運用額を明らかにし、今後も透明性を持った運用に努める意向を示した。
また、市営墓地事業の今後についての説明もあった。環境市民部長の鈴木正次氏は、現在すべての区画が完売している状況を説明し、返還があった場合のキャンセル待ち受付のみを行っていると述べた。ただし、今後の墓区画整備については具体的な計画がまだ立てられていないこともあり、議員からの質問は続いた。
また、GIGAスクール構想の実現に向けた取り組みについての質疑も行われ、学校におけるICT環境整備の現状と課題が浮き彫りとなった。教育部長の杉山善彦氏は、国の基準に達していないとし、補助金を活用した計画的な整備を進める考えを示した。
市街地や駅周辺で快適に過ごせるまちづくりについても討議され、建設部長の影嶋圭司氏は、駅西土地区画整理事業や育成基金の適正活用について説明した。市は、節約だけでなく質向上に向けても取り組む意向を示しており、今後も庁内での協議を続けていく方針を強調した。
最後に、高齢者施策についての意見も出され、市の方針が市民にどのように届いているか、具体的な取り組みの進捗を丁寧に周知する必要があるとの指摘があった。住みやすいまちへと発展するため、議会運営が重要な鍵となったことが浮き彫りになった。