令和6年6月18日、裾野市議会の定例会が開催され、一般質問が行われた。主に、子宮頸がんに関するワクチン接種や検診の重要性、高齢者の災害関連死を防ぐための避難計画、市長戦略の実行化、そして裾野駅西土地区画整理事業と農業政策の展望について問われた。
一般質問では、まず大橋勝彦議員が子宮頸がんの影響について発言した。厚生労働省によると、年間約1万1,000人が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が死亡しているという。大橋議員は、子宮頸がんワクチンの接種率が日本では低いことに懸念を示し、「自治体が積極的に啓発・支援すべき」と強調した。
健康福祉部長の高梨恭氏は、子宮頸がんワクチン接種について、2022年に接種への積極的勧奨が再開されたことを説明し、受診率向上へ向けた取り組みを進めていく考えを示した。また、大橋議員は、長泉町のようにがん検診の個人負担金無料化を提案し、裾野市においても同様の施策が必要であると主張した。これに対し、健康福祉部長は、無料券配布を行い、受診率を促進する努力を続けると述べた。
続いて、議論は高齢者の防災対策に移った。高齢者は災害時に避難行動が取りにくく、特に自宅で避難する一人暮らしの高齢者には不自由な生活が待っていることが指摘された。議員たちは、避難行動要支援者リストの作成や、支援者の確保について具体的な計画の必要性を訴えた。健康福祉部長は、避難支援者の確保が課題であることを認め、地域との協力を強調した。
さらに、市長戦略の実行についての質問もあった。市長は、戦略から実動へ移行させるため、「気を引き締めてスピードアップを図る」と発言。特に社会基盤の整備や企業誘致について具体的な進捗を約束した。市長戦略部長は、財政健全化と将来投資の両立を目指し、財政調整基金の残高を一定水準確保する考えを示した。
最後に、裾野駅西土地区画整理事業と裾野市の農業政策に関する議論が展開された。横断的な町作りや地域の魅力向上に向けた様々な施策が考えられていることが説明され、特に新規就農者を支援する方策や、農業法人の誘致が引き続き行われることが強調された。これらの施策は、裾野市の生活基盤を支えるために重要な位置付けを持つとみられ、議員たちはその進捗を注視していく姿勢を示した。