裾野市議会の令和5年9月の定例会が開催され、教育現場における課題や未来への教育構造について多くの意見が交わされた。
則武優貴議員は、教育環境の急速な変化について指摘した。最近の教育現場では、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、情報リテラシー教育が欠如していることが懸念されるとし、いじめや誤った情報の拡散のリスクが高まっていると述べた。これに対処するため、柔軟性のあるアプローチが必要と強調した。特に学力と図書室の活用率に関して質問し、小中学生の図書室の利用率が依然として低いことが明らかになった。
また、教育部長の勝又明彦氏は、図書室の利用状況についてデータを示し、小学生の図書室利用率が14.1%、中学生が5.3%であるとの結果を報告した。則武議員は、中学生の利用率について時間的余裕がないことが影響していると指摘し、図書室活用の重要性を訴えた。図書室が学生の成長や精神面の安定に寄与することを理由に、図書室の充実を求めた。
さらに、議会ではタブレットと図書室の活用を両立させることの重要性や、生成AIの教育現場への受入れについても議論が行われた。特に技術の進化に伴う教育の変化に対して、適切なガイドラインを設ける必要があるとの意見が多数寄せられた。教育長の風間忠純氏は、AIの活用には慎重な検討が必要であるとしつつも、映像教材や教材作成における可能性を示唆した。
加えて、スマートフォンの依存症が懸念され、教育現場におけるリテラシー教育の重要性が再確認された。教育部長は、保健の授業等を通じて教員の健康状態や生徒の生活指導を行っていると説明した。特に、熱中症対策については、現場での取り組みが重要視され、学校の環境整備も課題となった。
さらに、則武議員は特別教室へのエアコン設置の必要性も訴え、これが教員や児童生徒のウェルビーイングに直結する重要な要素であると認識されている。教育部長は、導入に際してさまざまな財政的な観点から検討が必要であるとしたが、関係者からの期待が高まっているのも事実である。市民にもエアコン設置を求める声が多く、今後の議論が注目される。
最後に、病児保育施設「りんりん」の利用状況についても言及され、令和5年4月以来の利用者数が当初の見込みを上回る状況が報告された。今後も、社会全体で支持される病児保育の仕組みが求められる。
裾野市の教育界では、急速な変化の中での課題解決に向けた取り組みが進められており、大きな期待が寄せられている。