令和2年12月18日、裾野市議会は定例会を開会した。議会では提案された追加議案1件が審議され、意見書案第3号「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書」が議題に上がった。
今回は、国際的な核軍縮の流れに対する市議会の見解が問われている。提案者の岩井良枝議員は、国連での核兵器禁止条約の採択を受けて、我が国がリーダーシップを取るべきだと強調した。既に500以上の地方議会が同様の意見書を提出しており、その背景には核廃絶への国民の強い願いが反映されている。
この意見書案に対し、反対の立場からも意見があった。賛成側は「唯一の戦争被爆国としての使命がある」とし、核兵器の無い世界を目指すことを明言した。賛成した岡本和枝議員は、核兵器禁止条約の発効が国際法としての位置付けを得ることの重要性を説き、政府に対して積極的な対応を求めた。
一方、反対意見の中には、日本が核保有国との間に生じる分断を懸念し、慎重な外交戦略が必要であるとの指摘もあった。特に日米安全保障条約との関係においては、政府の判断が重要視されている。
審議の結果、この意見書案は賛成少数で否決されたことから、市議会としての固有の立場を表明することはできなかった。しかし、市民の間での核兵器の廃絶に向けた意識は高まっており、引き続き議論が続くことが予想される。ただ、他の議題については全て可決され、裾野市の施策は順調に運営されている様子である。