令和3年10月6日、函南町議会は定例会を開催し、2020年度の一般会計決算及び関連特別会計決算が認定された。
議案第61号から議案第73号まで、計13件の決算認定は、町の財務状況を反映したもので、特に新型コロナウイルスの影響が色濃く見られる。決算認定に関する討論では、賛否が分かれた。大庭桃子議員は、2020年年度の一般会計決算に反対の立場を示した。
大庭議員は、2020年度に新型コロナウイルスに起因する自治体の対応として「桜を見る会」問題など政治的混乱があった中で、地方自治体の寄り添いが求められたと指摘した。町民に対し「どのような支援が必要か」を真摯に考え、積極的に対応すべきであったと述べた。特に、特別定額給付金の給付率を99.6%という県平均を上回る数字で達成したが、これがコロナ禍の中でどれほど有効であったか疑問を呈した。また、職員の健康管理についても言及し、メンタルヘルスのケアが重要であると強調した。
これに対し、賛成意見を表明した中野博議員は「厳しい財政環境」の中での適切な財政運営を評価した。年度末の実質収支額が5億1965万円の黒字であることを挙げ、将来の課題として財政調整基金の新規積立ても評価。特に、水道事業や災害復旧対応において適正な執行があったことを称賛した。行政サービスの立場から見ても、成果が実を結んでいると発言した。
気になるのは、近年の「コロナ禍」によって観光業や商業活動が打撃を受け、観光施策の立案にはさらなる努力が必要。商工振興に向けた施策が適切に実施されていることは評価されているが、次年度以降の具体的なプランは明確にされず、運営の継続には工夫が求められる。
さらに、意見書案第3号として「沖縄戦の戦没者の遺骨を含む土砂の埋立てに使用しない」ことを求め、意見書案第4号では「地方税財源の充実」を求めるものが可決された。特に、地方税に関する論点は各議員の意見交換による影響分析が今後も必要で、戦後76年が経過する一方で根底にある地方創生の推進にはしっかりとした法整備と財政基盤が求められる。この日程では、今後の施策と行政の取り組みに期待がかかる。