令和3年3月定例会において、函南町の令和3年度予算案が議題に上がった。
町は主要な予算として、一般会計予算を前年度比1.7%減の110億2,500万円とし、重点施策に教育・文化、健康の6分野を掲げている。
町長の仁科喜世志氏は、予算案の中身について詳細な説明を行い、特に貯金に当たる財政調整基金は、年度末見込みが6億7,000万円で1億3,000万円が減少することへの懸念を示した。
一方、起債残高は110億2,700万円となり、町民1人当たり約30万円に達することを指摘され、町は財政の健全化を図る必要があると指摘される一幕もあった。土地取得特別会計や各種特別会計予算案についても質疑が行われ、特に上下水道事業に関する発言が目立つ。
富田貴志上下水道課長は、上水道事業特別会計予算について、給水戸数1万4,290戸、および年間総配水量518万6,000立方メートルを見込んでおり、主な建設改良事業として老朽管の更新や施設の更新を行うことを説明した。また、資本的収入に関して企業債の計上もあることが明かされた。
さらに、田代、軽井沢、丹那地区簡易水道特別会計予算においても、地域住民の水の安全確保に向けた取り組みが強調された。政治的な議論の中でも、循環バスの実証運行業務など交通ネットワークに関する提案も含まれ、町民の足をどう支えるかが重要なテーマとして浮かび上がった。
最後に、野田哲郎議員は、予算書の内容に基づき、循環バスの実証運行について具体的なスケジュールを問い、町側から運行開始のための議論が続いているとの回答を得た。今後、この定例会での質疑を通じて、函南町の予算と町民生活をどう改善するかへの意識が高まることが期待されている。