函南町では、令和4年第1回臨時会が開かれた。この会議では、自然環境と再生可能エネルギー発電事業に関する条例の改正論議が行われた。
審議される議案は、函南町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例の一部を改正するものである。委員会付託後、この議案は原案の否決となった。特に、軽井沢メガソーラー事業を念頭に、建設に反対する多くの署名が集まる中、改正案への賛成や反対の意見が活発に交わされた。
賛成討論を行った古村 高議員は、現行条例の成立過程に不備があったとして、条例改正を支持した。多くの建設反対署名や意見書が提出された事実を強調し、地域住民の意向を尊重する重要性を訴えた。彼は事業者への過度の負担を懸念し、周辺地域との共生を進める必要があると述べた。さらに、地域住民の安心安全な生活を守るため、早期の規制強化を求めた。
反対討論では中野 博議員が立ち上がり、改正の狙い撃ち性を問題視した。元々の条例は地域環境保護が目的であり、特定の事業を阻止するためのものでないと強調した。彼は、すでに承認された事業に対して新たに適応することは、平等性を欠くとし、法的安定性の観点からもリスクが高いと警鐘を鳴らした。現行条例で十分に対応可能であるため、改正は不要との立場であった。
また、田中 正美議員も賛成意見を表明し、自然環境を守るための強い意志が町民に根付いていると指摘。彼は署名活動の結果を示し、町民の思いを形にする必要性を力説した。このように、議員たちの意見は住民の立場をどのように守るかに注がれた。
議会の結果として、議案第3号は否決されたが、今後の地域環境保護に向けた動きが期待される。議会は町民の声に対する重い責任を再認識し、慎重な審議を求める姿勢を示した。今後も函南町の自然環境と地域の経済活動が調和する道を探ることが重要となる。