函南町の令和2年第4回(12月)定例会が開催された。会議では、議員から新型コロナウイルス関連の質問や介護保険の実態、そして子供たちが直面する問題に多くの意見が交わされた。特に、13回目の一般質問では、会議に出席した厚生部長の杉山浩巳氏が新型コロナウイルスの影響について詳しく説明した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、介護サービスの利用状況が変化している。全体的にサービスの件数は増加しているが、通所リハビリテーションの利用が依然として前年度の約90%程度にとどまる。厚生部長は「町内で介護事業者からの経営に関する相談は無い」と述べ、現状では大きな影響は見られないとの報告をした。
一方、訪問介護サービスの中には利用控えが見られる。しかし、事業者の努力により新型コロナウイルス症例の発生はなく、安定したサービス提供が行われている。町内の民生児童委員が580人の高齢者を見守り支援している様子が伝えられ、高齢者の孤立防止に向けた具体的な取り組みが行われていることも明らかになった。
議会では田中正美議員が新型コロナウイルスへの町の対応について再三にわたり質問を行った。この中で、行政としてのPCR検査の充実が求められた。特に、自主的に検査を受けることができず、医療機関を自ら探さなければならない高齢者への配慮が強調された。厚生部長は、現在の運営体制が地域連携において大きな役割を果たしていると答えたものの、住民のニーズに応じたさらなる支援体制の構築に向けて検討の余地があることも示した。
さらに、教育次長の大沼裕幸氏がいじめや不登校問題への取り組みについて述べ、過去のデータを基に現状を分析し、学校での平和教育についても言及した。この中で、いじめの件数は小学校・中学校で報告されている内容があるが、その背景には家庭環境や社会的要因が影響しているのではないかとの見解が示された。
最後に、核兵器禁止条約に関するディスカッションが行われ、核兵器廃絶平和都市宣言を行っている函南町としても、平和の維持の大切さが強調された。また、町長から核兵器禁止条約への賛同の意向があったものの、国策であるため、現在は国の動向を注視していく姿勢が示された。
このように、多岐にわたる議題が浮き彫りになった定例会は、今後の函南町の方向性を探る場となった。議事の中で提起された問いかけが地域住民の生活に密接に関わっていることを再確認した。