令和5年2月の富士宮市議会では、地域福祉や人口減少問題に焦点が当たった議題が呈示された。これに対し、多くの議員が地元の課題を直視し、現状を打破するための議論を展開した。
特に、空き家や耕作放棄地といった困難な土地問題が議題に上がった。望月則男議員は、空き家や空き地、耕作放棄地、山林などの具体的な相談先について明らかにした。彼はまた、各担当課での相談件数や苦情件数の動向を調査し、特に農地の管理が適正に保たれているか問題提起した。他方、環境部長は地元自治体との連携を強化し、効果的な土地活用方法を模索する重要性を強調した。
さらに、地域コミュニティの在り方についても問題提起された。高齢化と少子化の進行が自治会運営に影響を及ぼし、市民の協力が不可欠であることが指摘された。ここでも議員は、公助と共助の必要性を訴え、自助努力のみでは解決し得ないという現実を反映。市民が活動に参加するための情報提供が重要であると一致して認識した。
コロナ禍に起因する行事の中止が続いたことで、地域住民同士のつながりが失われ、空きスペースや困った土地の管理が懸念されている事情を多くの議員が挙げた。市も住民のための活動を促進させ、積極的に対話の場を設ける努力をする意向を示した。
富士宮市立郷土史博物館の構想についても話題にされたが、議員からは市民への説明不足を問う声も上がった。今後の活動が市民の教育や文化振興につながるよう、事業の透明性が求められている。市長もこの点に対し、十分に議論を重ねていく考えを強調した。