令和5年6月22日に開催された富士宮市議会定例会において、数件の重要案件が審議され、承認を得た。特に注目されるのは、富士宮市税条例の一部改正と森林環境税の導入である。
この条例改正により、市民税に新たに加えられる森林環境税は、個人市民税均等割に1,000円が賦課される。その収入は主に国庫に納入され、その後、森林環境譲与税として地方自治体に分配される仕組みである。この変更について、辻村岳瑠議員が質疑を行い、「譲与基準に変化はあるのか」と質問したのに対し、市民税課長の佐野芳樹氏は「譲与基準に申し送りはない」と答弁した。今後、納税者にとってデメリットが生じない様、行政側の配慮が求められる。
また、富士宮市立芝川中学校に関する建設工事契約も審議され、大規模な建設が行われていることが、その経済的背景を示している。この案件については、入札参加者が1社に限られたことに対して、臼井由紀子議員が質問をし、工事の競争性に懸念を示した。市の職員は、入札の公告に対する反応や地元企業の参加状況等、競争性が働かなかった理由を説明し、今後はこの点を考慮して改善に向けて努力すると述べた。
一方で、山本高原公園の整備工事請負契約も結ばれ、地域の振興が期待されている。明るい展望を持たせる一方、地元業者の参加や競争を促す方策はどう維持していくのかの議論が続く必然性がある。
全体を通じて、今回の定例会では、富士宮市が行う事業による地域振興や市民サービスの向上、特に森林環境税や学校建設に対する市民の理解を得るべく、事前の周知など、透明性の高い施策実行が求められる。議会運営は、このように市民の期待に応える形で成り立っており、引き続き現場の意見を真摯に受け止める姿勢が必要だ。