令和5年3月10日、富士宮市議会の定例会において、多くの議題が取り上げられ、特に地域の重要課題である「畜産業の現状」が焦点となった。この背景には、急速に進行する少子高齢化の影響や、介護人材の問題が挙げられる。
まず、「畜産業の現状」では、飼養頭数の増加が報告されたが、同時に厳しい経営環境が続いており、特に牛乳の過剰供給に伴う淘汰が必要とされる状況にある。富士宮市内では牛乳の飼養率が高く、酪農家と肉牛飼育者はそれぞれの経営基盤の強化が求められている。将来的には、飼料コストの高騰や、環境保護の観点からも新しい取り組みが必要だとの意見が出された。
次に、水質汚染の問題についても言及され、芝川周辺の水質改善が進んでいるものの、依然として農業や畜産活動が環境に与える影響が懸念されている。具体的には、特に家畜ふん尿による水質の悪化が問題視され、今後も定期的な水質調査とともに、県の指導のもとでの改善策が求められる。
さらに、汚水処理人口の普及率について触れられ、令和5年度に向けては新たな施策を通じてさらなる普及を目指す必要があるとの意見が挙げられた。現在、合併処理浄化槽を設置するための補助金制度があり、これを活用して市内の水質環境を守る取り組みも重要視されている。
また、商店街の活性化も重要な施策として取り上げられ、特に富士宮駅前交流センターの駐車場を利用した集客の可能性が示唆された。市の駐車場は現在、周辺の民間駐車場と料金差があるが、イベントによって商店街の集客につなげるアイデアが必要だとの考えが共有された。
最後に、少子化対策に関する議論では、県全体における出生数の減少が問題となり、国も異次元の少子化対策を講じることが期待されている中で、地域住民に合った効果的な施策を検討する必要性が強調された。子どもが育ちやすい環境を提供することが、人口減少の歯止めにもつながるとの認識が示され、今後の施策づくりにおける住民の声が重要視されることとなった。