令和3年2月9日に開催された富士宮市議会の定例会では、今後の施策や予算案に関する重要な議論が交わされました。
特に注目を集めたのは予算案に関する議論です。市長の須藤秀忠氏は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済状況を踏まえ、172億7,750万円の一般会計補正予算を提案しました。これは独り親世帯への支援が主要な内容で、コロナ禍において厳しい生活を強いられている家庭を対象としています。
また、市長は「令和3年度は新型コロナウイルスの影響を受けた市民を守るため、柔軟かつスピード感を持った対応が求められる」と強調し、予算の中にはワクチン接種費用やPCR検査関連の経費も含まれています。市民の命と生活を最優先に考えた施策が目立ちます。さらに、補正予算では、国の交付金や寄付金を活用し、地域経済を支えつつ、観光の振興にも取り組む方針を示しました。
一方、産業都市委員会の植松健一議員からの報告では、「滞在型観光の推進」のために、観光施設・インフラの整備が提案されました。アフターコロナを見据えた新たな観光戦略が求められる背景には、旅行消費額の拡大と地域経済への還元が重要であるとの認識があります。具体的には、地域クーポン券の発行やアウトドアイベントの開催などが提言され、観光による経済的恩恵を広める狙いです。
これらの議論を経て、富士宮市の2021年度の一般会計予算額は457億3,000万円、さらに各特別会計や企業会計を含めると総額920億4,404万円に達する見込みです。市長は、これらの予算が「吉事の波を起こす予算」となるよう、未来志向での施策を訴えました。
また、持続可能な地域づくりに向けた取り組みとして、年内に「ゼロカーボンシティ」を宣言することも盛り込まれ、環境問題にも配慮した施策が展開される予定です。
この議会は、今後6回の定例会開催の経過を持って、議会として年度末の決算並びに新たな計画へと繋がる重要な局面となります。