令和3年9月8日、九重町議会は第3回(定例)会を開催し、多くの重要な議題が議論された。
その中で最も注目されたのは、災害対策に関する内容である。有吉 富生議員が、今年の8月豪雨と昨年の7月豪雨による雨量の比較データを求めた。危機管理情報推進課長の井上健二氏は、8月の雨量が542ミリに達し、24時間の降雨で237ミリに達したと報告した。昨年の豪雨も記録的であったが、井上氏は今年の災害は人的な被害はなく床下浸水が僅かに2件報告されたと述べた。
また、町の農林課長も8月豪雨における農業施設への被害について報告し、道路や河川に関して49件の被害が確認されたと説明した。議員は、昨年に続く自然災害に対して町独自の小規模災害対策事業を「ぜひ今後とも続けてほしい」と強調した。この意見に対し、農林課長の吉光 泰三氏は、被災状況を調査の上、必要であれば昨年の施策の継続を検討する意向を示した。
次に、避難所の設置についての議論が行われたが、井上氏は、感染症対策として避難所の収容人数が制限され、体育館を主要避難所とし、感染症のリスクを軽減する方針を説明した。また、避難指示の迅速性や町民への周知の徹底が求められた。
観光振興においては、志賀 一哉商工観光・自然環境課長が、事業の継続的推進の必要性と共に、特に滞在型観光を求める声が高まっていることを説明した。観光客が九重町に滞留できるよう、観光ルートの整備等が討議され、今後の見通しについて期待が寄せられた。この点に関して、町民の意見を政策に反映させるための具体的な手法が提案された。
最後に、九重町の長期ビジョンを策定する「第5次総合計画」に関連する質問がなされた。その議論では、町の人口減少と高齢化を背景とした施策が軸となって進められることが述べられた。町民の参加意欲が低下している現状を踏まえ、町の未来について共に考えていく姿勢が強調され、佐藤 明郎議員は「住民に寄り添った政策の実施が必要」との意見を述べて結びとなった。